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また、恋してくれますか。

第1章 〜幸せだった?〜


俯いたまま、膝の上においた手をぎゅっと
握りしめていたが、涙目のまま桜奈は
また家康を真っ直ぐに見つめ

『はい。もちろん分かっております。

でも、家康様が徳川家の嫡男としてお家を
守る為にこれまでどれほど、辛い目に
あってきたかも

私が今また、お家を守る為にと家康様の
お心をどれだけ蔑ろにして
苦しめているかも分かっているのです。

でも、それでも今の私には、もうこれしか
家康様の支えになる手立てが無いのです。

それに、お家を守る為に始まった戦ならば
最後まで、守り通してこその勝ち戦では
ございませぬか?

そのお役目を見事果たしてこそ、家康様は
肩の荷を下ろせるのだと信じております。

その為なら私は、例え家康に嫌われようとも
この権義についてだけは、一切引くつもりは
ございませぬ。

それが、お家を守るこの戦を勝ち抜く為に
私ができる妻としての務めだと信じおります。』

一切の迷いのない強い眼差しで家康を
見つめる桜奈。

その凛とした姿は、家康には
眩しくさえ映った。
(/// はーっ、やっぱ敵わない ///)
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