第26章 Criminal
陣平ちゃんが刑事課に異動になって、無性に腹が立っている
4年前の爆弾犯を密かに追っていたらしく特殊班に異動願いを出していたらしい
そんな事ひとっつも聞いてない
なんで4年前の犯人を捕まえることに躍起になっているのか、全く理解できない
「お前を殺されそうになったんだぞ」と言っていたけど、俺はピンピンしてるし、これからも爆弾処理班の双璧でいたかったなと思った
機嫌の悪い俺に周りは誰も近寄ってこない
ボーッとしていると視界にちゃんの姿が飛び込んできた
「うぉ!ビックリした、どうしたの?」
コソコソと耳打ちしてくる
「公安っていったって、指示があるまで私動けないから事務処理ばっかりで疲れちゃったからちょっと散歩
研二さんの顔が見えたから来ちゃったけど、なんか機嫌悪い?」
「そーなの!聞いてよ!陣平ちゃんたら俺になんの相談もなく勝手に異動しちゃってさ
酷いと思わん?」
「研二さん、陣平さん大好きだもんね」
ニコニコしながら問題発言をするちゃん
「そりゃ…親友だし
Wエースでやってきたし」
ブスっとした顔でそう答えるとじゃぁ、文句いいに行こって手を取られた
でも、ちゃんの顔を見たらちょっと気持ちは落ち着いた
癒されるなー、こうやって手を引かれるのも悪くない
「私がヒロくんに置いてかれたーってビービー泣いてた時、2人がきっかけ作ってくれたからヒロくんに思いをぶつけることができた
それでスッキリしたから、研二さんも陣平さんに思いの丈をぶつけちゃえ」
ニコニコ笑っているちゃんの頭を撫でる
なに?って上目遣いの顔が可愛くて仕方なかった
「あ、陣平さんいた」
喫煙所でタバコを吹かす陣平ちゃん
背中を押されて俺も喫煙所に入った