第24章 practice *
「あ、じゃぁひとつ付き合ってくれる?
ハニートラップ仕掛けられるようにならなきゃいけないんだけど…ハニートラップなんて自信なくて…」
これも零くんからの指示だった
私がハニートラップなんていつどこで使うのか、検討もつかないけど…
陣平さんは真っ赤になって怒った
「はぁぁ?がハニートラップ?!
あいつ、に何やらせる気だ、冗談じゃねー
降谷だろ、そんな事言い出したやつ
降谷連れてこいっ!1発殴らなきゃ気が収まらねぇ…」
言う相手を間違えてしまったみたいだ…
まぁまぁと宥めても怒りが収まらないといった陣平さん…あぁ…どうしよう…と困ってしまう…
「も、俺にそんな事言うなよ…
公安に行くの引き止めたくてどうしようもねぇのに…そんな事やらされるのわかってて、頑張れよなんて言えるかよ…」
陣平さんが拳に力を入れた
「あ…、ごめんなさい…」
「俺じゃ練習相手にはなんねぇよ…
こんなにに惚れ込んでるのに、どんなことされたってきっとお前のこと押し倒す自信しかねぇし」
「ごめんなさい…私、軽率にこんなこと頼んじゃって…」
少し間があってから陣平さんは口を開いた
「俺以外を練習相手に選ぶのか?」
「え、それは……」
「そんな事させない…練習相手には俺がなるから、誰にもそんな事頼むんじゃねぇぞ」
戸惑っているとポンと頭に手が置かれた
ここで泣くのはずるいと思うけど、目の奥が熱くなる…
「わかったな?」
「うん…ごめんね…」
「そんな顔…するなよ…我慢出来なくなっちまうだろ…」
陣平さんの大きな手で頬が包まれる
「その顔で見つめられたら大抵の男は落ちちまうだろうから、練習なんて必要ねぇよ…」
「それは…陣平さんだから…だと思うんだけど…」
目を逸らしながらそう言った…
「ずりー女……」
ヒロくんの事が好きなはずなのに、陣平さんにこうされても嫌じゃないなんて…
どうかしてると思う…
「そうだよね…ごめん…」
両手で、陣平さんの胸板を押し返した
「まぁ、俺はそれに漬け込む悪い男だよ…」