第21章 reunion
萩原に手を引かれ俺に向かいあっては口を開いた
「バカ…
心配したんだから…電話も出ないし、部屋も引っ越しちゃってどこ行ったかわからなくて…
しかも零くんもだよ?
警察辞めたなんて信じられなかったから、きっと仕事で仕方なくって思ったけど…でも、それでも寂しかった
黙っていなくなるなんてズルい…」
の隣に移動して、頭を触ろうと手を伸ばしたら叩き落とされた
「やだ!触んないで…
ヒロくんなんか嫌いっ…」
ズキンと胸が痛む
松田の背中で顔を隠して肩を震わせて泣いていた
「ごめん……」
「いいのか?」
「諸伏、このままだと帰っちゃうよ?」
はっ、と顔を上げて袖口をクイっと掴まれた
「ごめん、嘘…嫌いなんて思ってない…」
「うん…俺の方こそごめんな」
「はい、仲直り出来た所でもう1回乾杯しようぜ」
の飲み物が届いて4人で乾杯した
料理もどれも美味しくてさすがお高いだけのことはあるなと思った
いや、違う
誰かと一緒に食事するから美味いんだ
こいつらと一緒だからか…
姿を消してから誰かと食事することなんて滅多になかった
は少し変わった
前みたいにヒロくん、ヒロくん言わなくなったし
俺がいない間に随分とこの2人と仲良くなったみたいだった
それに少し大人びて綺麗になった
思わず見惚れてしまう
ほどなくして解散となった
「じゃぁね、ヒロくん」
「あぁ…」
また合同捜査でもない限りしばらく会うこともないだろう
松田と萩原と並んで歩くの後ろ姿を見送った
でも、それは思っていたよりも早く訪れた