第14章 inducting
大家さんに頼んでできるだけ早く住めるようにお願いした
部屋のクリーニングも終わってるからいつでもいいと言ってくれ早速引っ越しをする
萩原は隣の隣だなんて聞いてないって怒っていたけど、そんなの知らねぇ
たまたま空いていた部屋が隣の隣だっただけ
「家賃は女性割引だそうだ」
大家さんが提示してくれた家賃を言うと目を丸くした
ここに越してきた時からゴミ捨て場の掃除とか力仕事とかいろいろ手伝ってきたから、俺の紹介の女の子ならってことでかなり安くしてもらった
「え?ほんと?まさか大家さん脅したりとか…」
「してねぇよ、おいこら、俺の事どんなやつだと思ってるんだ?」
「優しい人」
予想していた返事じゃなかったから、思いっきり照れてしまった…
ニヤつく口元を隠すために手で覆った
「あー陣平ちゃん照れてる」
からかってくる萩原にうるせーよ、と睨みを効かせた
「ねぇ、ねぇ、俺のことはどう思ってる?」
便乗して聞いてくるあたり抜け目なしだなと感じする
「暖かい人かな」
の言葉にほくほく喜んでいた
高校卒業まで後少し
降谷と諸伏と全く連絡があり取れなくなって数ヶ月
こっちがどんなにアクションを起こしても全然音沙汰がない
卒業式の日、最後の制服姿を見納めにの家に行く
「よかった、まだ脱いでなかったな」
「ちょっと名残惜しい気持ちもあるから」
こっち向けと携帯を構えて写真を撮る
「降谷と諸伏に送り付けてやる」
「陣平さん、ありがとう」
やっぱり寂しいのか、不安なのかは元気がなかった
「どうした?」
「ん、なんでもない…」
の頭に手を伸ばした瞬間、チャイムが鳴る
「ちゃーーん、卒業おめでとう」
邪魔すんなよな…、萩原
4月になりは警察学校へ入校した