第12章 reconciliation
諸伏を宥めるのに苦労した
なんでかものすごく機嫌が悪い
陣平ちゃんはコンビニに行くからって消えたし…
普段温厚な諸伏が怒っているからそれはもうおっかない…
「ちゃんになんであんな事したんだ?」
「それは…」
「陣平ちゃんとデートしてたのか気に入らなかったのか?」
「違う…」
「じゃぁなに?」
「わかんねぇ…」
はぁー、もう知らん…普段は降谷に負けず劣らず器用なやつなのに、なんでこうちゃんのこととなると不器用なんだ?
「しっかり考えろ」
そう言い残してタバコを買いに俺もコンビニに行った
学校が始まってもちゃんは交番の前を通らない
伊達や陣平ちゃんの時はいつも通りらしいから、避けてるんだな…
「なに?仲直りしてないの?」
「会ってない…」
「誰かに取られたって文句言えねえぞ」
「取るって?」
「例えば俺とか…学校の男かもしれないしバイト先の客かもな…まぁこっちとしたら1番強敵なライバルが減るんだから言うことないけどな」
「なっ!」
半分嘘で半分本当…
まぁせいぜい焦ればいい
もうすぐ交番勤務も終わりそれぞれの部署に配属される
配属先を話題にしないのは諸伏の配属先は公安なんだろうな
こっちも降谷に負けず劣らず成績
諸伏なら公安てのも別に驚かない
ちゃん、寂しい思いするかなってちょっと心配になった
公安は機密事項が多いからなぁ…
今までみたいに気軽に会えなくなるだろうし、だから今のうちに仲直りしてて欲しい
「逢いに行くか?行きずらいなら俺も一緒に…」
「萩原の場合に会いたいってだけじゃないのか?」
「あ、バレた?でも純粋にお前達が心配なだけ」
勤務が終わって仮眠してから諸伏とちゃんちに行く
チャイムを鳴らしても応答がなかった
バイトかな?
諦めて帰ろうとした時マンションのエントランスでちゃんと鉢合わせた
「ヒロくん、萩原さんどうしたの?」
久しぶりに会うちゃんは髪を切っていて少し大人っぽくなっている
「久しぶり、髪切ったんだな…」
手を伸ばしてちゃんの髪に触れた
「うん、どう?似合う?」
「似合ってる、なぁ萩原?」
「短いのもかわいい」