第11章 warning
「ん」
「へ?」
「泣きたい時は我慢しない、俺に見られたくないんだろ?でも俺も泣いてるお前をほっとけない」
腕を引っ張られて陣平さんの腕の中にいる
「いろいろ頭が処理できてないので、涙は引っ込んじゃった…」
パッと腕を緩められて
「なーんだ、残念」と笑う陣平さんにつられて私も笑った
「アイス食おうぜ、バニラとチョコどっちがいい?」
「バニラが好き」
2人でアイスを食べながらさっきの事について話し始める陣平さん
「諸伏も心配なら心配って言えばいいのにな」
「ヒロくんは昔からそう…
すぐに私を子供扱いするの、少しでも大人っぽく見えるように、メイクも髪型も服装だって…
早く制服を脱ぎたい…でも、私が学生じゃなくなったって、20歳になったって、きっと何も変わらない
それが悲しい」
陣平さんは黙って私の話を最後まで聞いてくれた
「諸伏もの事を大事に思ってるのはわかる
可愛くて仕方ないって、俺や萩原がに近づくと機嫌悪くなるの知ってるか?」
フルフルと首を横に振る
「今日だって内心、面白くないはずだ
だから、あんな風に押し倒したんだろうぜ
不器用なやつだよ、ほんと」
「陣平さん優しいね」
「今頃気づいたのか、誰だって気に入った女には優しくするだろ」
「気に入った?」
「そうだ、諸伏と降谷の幼なじみじゃなかったらとっくに口説いてる」
「え?え?」
「他にも目を向けてみれば?の事好きなやつたくさんいると思うぜ
もし、そうしたくなったら俺の事1番に思い出して
今、答えを求めても振られるのわかってるからそれは求めないから」
どうしよう…恥ずかしくて顔をあげられない…
俯いていても陣平さんが近づいてくるのがわかる
頭を抱かれて陣平さんの胸板に押し付けられた
「諸伏が早く素直になってくれればいいのにな
おやすみ…風邪引くなよ」
なでなでされて陣平さんは帰って行った
ぼけーっとしてしまっていると携帯にメールが届く
「鍵とロックはしっかりかけろ」
見ていたのかな…火照った頬に手をやりながら玄関に向かってちゃんと鍵をかけた