第98章 In the park of memories
「ねぇ、そう言えばさ…諸伏ともうやっちゃった?」
突然、本当に突然、研二さんがとんでもない言葉を放り込んできた
紅茶を吹き出しそうになって、必死に耐える
「ゴホッ...ヴ...ゲホッゴホッゴホッ...」
「大丈夫か?」
零くんが新しいおしぼりをくれた
「萩原、なんてこと聞いてんだよ…」
私の背中を擦りながら、研二くんに睨みをきかせる
「だって、見るからに健全カップルなんだもん
中学生か?って思うくらい…
心配してんだぜ、これでも…
2人とも仕事の鬼みたいでさ
降谷ー、諸伏に休暇あげてよ
あいつ、干からびちゃうんじゃない?」
研二さんのお察しの通り、付き合ってからしばらく経つけど、ヒロくんとそういう事はしていない
飲みに行ったりはしてるんだけど、明日の朝が早いからと日付が変わる頃にはもうお互い自宅に帰ってる
「捜査で忙しいってのも、あるだろうけど…ヒロの場合…」
零くんは私をジーッと見つめた
「な、なに?!」
「あー、そういう事か…」
なにか納得した様子の研二さん
「俺らが思ってる以上に諸伏はちゃんの事、大事にしてるんだねぇ」
「そういう事だ」
「えー?なにー?」
わかんなくて不貞腐れているとガランとポアロの扉が開いた
「良かったーまだいたんだ…
ゼロ、何か食わせてくれ…」
疲れきって項垂れているヒロくんが入店してきた
「二人分ね、松田も拾ってきた…」
車を停めに行ったらしい陣平さんも遅れてやってくる
2人ともすっごく疲れている
「陣平さん少し、痩せた?」
「んー、そんなことないぜ、訓練してっから多少筋肉ついたかもな」
そっか…だから痩せたように見えたのか…
ヒロくんも陣平さんも夕食を食べ終えて、解散した
は俺が送ってくと肩を抱かれて
みんなの前だったから、つい身を引いてしまう
「行こ」
みんなにバイバイをしてヒロくんの隣を歩く