第98章 In the park of memories
「二人揃って来ることねぇのに…」
面倒くさそうにぶっきらぼうに言う陣平さん
「でも、、良かったな」
「陣平さん、ほんとありがとう
何度言っても足りないくらい…」
「諸伏に泣かされたり、愛想尽きたらいつでも言えよ
オヤジ持込みのボクシングでパンチお見舞いしてやるから」
ゾッとするヒロくん
「陣平さんボクシングやってたの?」
お父さんがプロのボクサーだったこと
この時初めて聞いた
「まぁ、そんなことより、俺からもお前らに報告がある
特殊班に異動になった」
陣平さんの言葉に息が詰まった
「、自分のせいだって思ってんなら違うぞ
元々特殊班に行きたかったし、やっとお声がかかったってわけ
今追ってる事件片付いたら、異動する
あと少し宜しくな、相棒」
「良かったね、でいいのかな?」
「あぁ、それでいい」
「でも、やっぱり寂しい…私が刑事課でやっていけたのって陣平さんがいてくれたから」
「その言葉が聞けて良かったよ、お前といた時間無駄じゃなかったって思える」
「ほらほら、いつまでもそんな顔してると、お前の彼氏様が妬いちまうだろ」
「ずっと妬いてるからな、俺…」
「知ってるか?諸伏、案外嫉妬深いぞ」
陣平さんが耳元でいうもんだから、痺れを切らしたヒロくんが、私の手をキュッと掴んだ
「言った通りだろ?」
意地悪そうに笑う陣平さん
「陣平ちゃんの勝ち」
そばで見守っててくれた研二さんが陣平さんの手を高く上げた