第98章 In the park of memories
「まさか、ここでに告白されるなんて思わなかったなぁ…」
「ここ、特別な場所なの?」
「うん、ゼロに組織に潜入する事になったって伝えた場所
その時ゼロに言ったんだ、とも離れる覚悟が出来たって
わざわざゼロに宣言するくらいだから、俺も昔からの事好きだったんだと思う…」
俺たち随分遠回りしちゃったよな、と大好きなヒロくんの笑顔で言われた
「改めて言う、俺の彼女になって欲しい」
「はい、お願いします」
「あー、夢みたいだ…松田の事、好きになってそのまま付き合っちゃうのかと思った…」
「陣平さんが背中を押してくれたんだ」
こうなった経緯を話すと松田に感謝しなきゃなと目を細める
「殴られる覚悟しておくよ」
「陣平さんならきっと良かったなって言ってくれると思うんだ…」
そうだなと呟いたヒロくんの声が穏やかで優しい
「冷えてきたな、そろそろ送ってく」
「うん」
名残惜しいけど、もう少し一緒にいたいと言えなかった
でも、汲んでくれたヒロくんはちょっとだけなと部屋に入ってくれた
二人きりなんて珍しくもなんともないんだけど…
彼氏になったヒロくんは特別で、心臓が口から出そうなくらいドキドキしてしまっていた
「ー?そんなに緊張しなくても良くない?」
「無理だよー、ヒロくんがかっこよすぎて…いろいろ無理…」
甘く私を呼ぶ声も、優しい手も、全部が愛おしい
「かわいいなぁ、ほんと」
よしよしされて私はヒロくんに体を預ける
「ちょ、待って…これ以上近づかれたら…俺が無理…
俺の中のケジメって言うか、松田にちゃんと報告してからじゃないと…
だから、今日はダメ…」
押し倒す前に帰るとヒロくんはうちを後にした