第98章 In the park of memories
行ってこいと言われたけど、ヒロくんがどこにいるかわかんない
電話したけど、出なかったもんなぁ
飲み会の時、一緒にいた人と今も一緒にいるのかな…
公園のブランコに腰掛けてこれからどうしようと考えていた
「?」
背後から声をかけられて驚いてブランコから転げ落ちる
「なにやってんだ?大丈夫か?」
「うん…ビックリした…ヒロくん、電話したんだよ?」
ごめん、気づかなくて…ほんとだ
なにか用事?
差し出された手をギュッて握った
「そのままで聞いて…」
「あ、うん…でもさ、そんな所に座り込んでるとかわいい服汚れちゃうから」
そう言って、ブランコに座り直された
手を握ったまま…上手く言葉が出てこない私をヒロくんは屈んでくれてずっと待っていてくれた
「あのね…私…、ヒロくんが好き」
「、待って…それって…」
好き、大好きと泣きながら言う私をヒロくんは抱きしめた
「わかった…わかったから、ちょっと落ち着いて…
あー、もう、こんなにぐちゃぐちゃになっちゃって…」
涙でぐちゃぐちゃなわたしの顔をヒロくんはハンカチで綺麗にしてくれた
「俺も、の事好きだ」
やっと伝わった
初恋で、ずっとずっとヒロくんが好きだった
組織の事はまだ片付いてないけど、陣平さんに背中を押されて、伝えることが出来た
「ヒロくん…ヒロくん…」
彼の名前を呼び続ける私を大きな腕で包み込んでくれる