第97章 Feelings
「ちゃん、平気?」
苗子さんの言葉になにが?と返す
「諸伏さん…」
「え、なんで?ヒロくんだって、女の人と飲みに行くことあるって」
自分に言い聞かせるように言った
でも、ザワザワする心を止められなかった
「諸伏くんが誰かと付き合っちゃったらもう手遅れなのよ?」
「ヒロくんがその人を好きになったなら応援する」
「ほんとにいいのね?後悔しない?」
「それは…」
言葉が続かない…
「安心しきってたら、痛い目みるわよ」
みんなの言葉がグルグルと回る
考えても考えても答えが出なかった
朝方、着替えにマンションに戻る
1人になっても答えが見つからない
登庁して、もう来ていた陣平さんに
「陣平さん、おはようございます」
と、いつものように挨拶するけど、返事は帰ってこなかった
顔の前で手を降ってみるとやっと、こっちを向いた
「どうしたの?」
「なんでもねぇよ、ちょっと飲みすぎだ」
「とびっきり濃ーーい、コーヒー入れようか?」
「ははっ、大丈夫だよ」
ありがとな、とポンポンと頭をされて
一服してくると出ていってしまった