第95章 gimmicky box
奥さんが話し出した、交換日記の話
私にマジックを教えてくれたあの人が脳裏に浮かぶ
そんなマジックを教わったような気もする…
コナンくんが紙の在処がわかったという
紙を見えなくするトリック
確かに教わったな…
だから、さっきおじ様の顔が浮かんだのか
紙の場所はお料理本の肉じゃがのページ
毛利さんが調べようとした時、明かりが消えた
隣にいた、沖矢さんの肘の辺りを思わず掴んでしまう
「怖いですか?」
ポアロでの事件の時も、本当は怖かったから…席を立とうとして転んだ
どうも最近暗闇が苦手で、怖くてたまらない
「怖いなら、僕に掴まってて大丈夫ですので、離れないでくださいね」
お願い早く灯をつけて…
コナンくんたちが絡繰箱の方へ行ったのは、気配でわかった
でも、私はその場から動けなかった
「さん、もう灯…つきましたよ」
目をギュッと閉じててついたことに気が付かなかった
「わわっ…すみません、沖矢さん」
「こんな可愛いところもあるんですね」
ちょっと違う気もするんだけど…
箱の中身も無事だったし、ピュアなお話も聞けたし、沖矢さんも写真を取り返せたみたいだし、良かった
「肉じゃが、食べていきますか?
お休みを潰してしまったお詫びです」
「あれ?私休みだって言いましたっけ?」
「オシャレをしていらっしゃるので、出かける用事があったのでしょう?」
見破られていたか…普段こんな格好しないもんな…
「よく似合ってます」
さらりと褒めてくれる所は沖矢さんなんだよなぁ…赤井さんならどう言うんだろう…
「いただいてもいいですか?沖矢さんの肉じゃが」
「もちろん」
工藤邸に戻って一緒に肉じゃがを食べた
「美味しい!」
「これはなかなか…」
赤井さんがエプロンをして料理をするなんて以外だけど、沖矢さんなら違和感ないのは不思議
食後のコーヒーを入れてくれると言うのでソファに座って待っていた
満腹だしお部屋は暖かいしウトウトしてきた
目が冷めたのはヒロくんの声がしたから