第91章 Overflowing feeling
「お昼抜いて、報告書まとめてるの?」
頭上から聞きなれた声が降ってきて、勢いよく振り返った
「研二さん!」
差し入れとコーヒーとサンドイッチをくれた
袋から出されて口に放り込まれる
「ちょっとは、休憩しな?」
サンドイッチを咥えながらそれでもPCに向かう私にそう言ってくれた
「今日の14時までに、陣平さんと私が関わった事件の報告書をまとめろって言われて…
陣平さん非番だし、終わんないよー」
デスクの上にどっさりと積まれた捜査資料
「陣平ちゃん、呼び出したら?
あいつの分までちゃんがやる必要ないでしょ?」
「だって、久しぶりの非番だよ?疲れてると思うんだ…いっつも私のフォローしてくれて、だからちょっとは休んで欲しい」
「優しいなぁーちゃんは?ちゃんと休めてる?」
「毎日ヘトヘトでぐっすりたよ」
「嘘だな」
目のクマを指摘されてしまった
「なんか悩んでるでしょ?研二くんが聞いてあげるから言ってみ?」
「大丈夫だよー」
唐突に口開けてと言われて素直に開けると何か口に放り込まれる
「ん、チョコレート?」
「俺ね、知ってるんだ
ちゃんの大丈夫は、大丈夫じゃない
助けてーってSOSだって事」
「報告書、終わったら今日は俺と飯ね
約束!」
「え、ちょっと!研二さん!」
有無を言わさず手を振りながら仕事に戻っていった
報告書をなんとか仕上げて、帰る準備をしていると研二さんが迎えに来てくれる
私の荷物を取り上げて、早く行くよと笑顔で言われた
「何食いたい?」
「なんでも…お腹すいてるし」
「んー、じゃぁ、あの居酒屋は?」