第89章 Reunion of impression
「よかった、無事で…怪我ないか?」
「だい…じょう…ぶ…」
煙を吸ったのか咳き込みながら話した
「高明さん…これ…多分…啄木鳥会の書類だと思う…」
「さん…あなた…」
「中、見たら重要なこと書いてそうだったし
誰に拳銃を渡したか全部記録されてる…」
燃えなくてよかった…と安堵の表情を浮かべた
「これを守るために何度も火の中に飛び込んだのか?!」
「ごめんなさい…少し焦げちゃったのもあるんですが…中身は無事です…」
「馬鹿野郎!」
大和さんに怒鳴られて身を小さくする
「詳しい話は後にしましょう
少々火傷を負っているようなので、手当が先です」
病院で手当をしてもらってバツの悪そうな顔で出てきた
言いたいことはいっぱいあるんだけど…
でも、が無事でよかった
兄さんと大和さん、上原刑事にコンコンと説教されて、しょげながらホテルにチェックインした
風呂に入って一息ついているとが部屋を尋ねてくる
「ヒロくんにもちゃんと謝りたくて…
心配かけてごめんなさい」
「ほんと、心配した…
また、組織のヤツらに連れ去られたんじゃないかとか、犯人に酷いことされてるんじゃないかとか…最悪なこといろいろ考えた」
「ごめんなさい…」
ヒロくんと呼びかけられて顔を上げれば、震えてるの?と言われた
俺の手を取って…キュッと握りしめる
「心配してくれて、ありがとう
でも、ほら私大丈夫だよ…」
「守れなくて、ごめん…」
今回のことだけじゃない、今までのこと全部
「私、ヒロくんに守ってもらおうなんて思ってないよ
今まで、たくさん支えられてきたし、助けられてきた
その上守ってもらおうなんておこがましいよ…
私もヒロくん達を支えたいし助けたい」
"達を"か…
「は、強いな…」
「そんなことないよ…」
を抱きしめたくて…腕を伸ばしたけど
また拒絶されたらと思うとストップがかかった
行き場のなくなった腕をおろして拳に力を入れた
「ヒロくん?」
「あ、なんでもない…疲れたろ?部屋戻って早く寝ろ
明日、県警に顔だして、すぐ本庁に戻って啄木鳥会の事、ゼロに報告しなきゃ」
「うん、じゃおやすみ…」