第87章 TRIGGER
「萩原と松田の所にも行ったのか?」
「電話した、ごめんねとありがとうって」
「そっか…」
熱いから気をつけろとにコーヒーを手渡す
指先が少し触れて、それだけでドキッとした
「ヒロくんが、怖いとかそういうんじゃないの
ただあの時は、すごくパニクっちゃってて…」
「うん、大丈夫、気にしてない」
嘘だ…気にしまくって落ち込んでるのに
強がってしまった
「零くんに会いたいけど…どうしたらいいと思う?」
「ゼロは会わない方がいいって言ってたけど…」
「え?」
「もうちょっと落ち着いてからの方がいいんじゃないか?って意味だよ」
「そう…」
「ほら、もうすぐ東京サミットがあるだろ?
公安は今それに手取られててさ、忙しいんだよ、あいつ」
咄嗟に出た言葉に嘘はなかった
実際警備の事とかでゼロは忙しくしている
「うん…私、みんなのこと、すごくいっぱい傷つけた…償っていきたいんだ…
ヒロくんも、ほんとごめんね」
「俺は…大丈夫だって気にすんな
は悪くないんだから、なっ」
「でも…」
今にも泣き出しそうなを抱きしめてやりたかった
でも、また拒まれたらと思うと、出来ない
「さて、送ってくよ
帰ろうか…」
「うん」
もう遅いし以前なら泊まっていくか?って言えたのに…
そんな言葉も言えなくなってしまった
随分と臆病になったものだな
記憶を取り戻したの刑事課での活躍は目まぐるしくて、次々に事件を解決していく
風見さんはに公安に戻ってきて欲しいみたいだったが、ゼロがそれを許可しなかった