第87章 TRIGGER
「の記憶が戻った」
ゼロにそう告げると持っていた捜査資料を全部ぶちまけた
「ったく、何やってんだよ」
「そっか…戻ったか…僕はに極力会わないようにするよ
嫌なこと思い出させてしまうからな」
「俺も思いっきり拒絶された…」
「それでそんなに落ち込んでるのか…」
萩原に助けを求めるように、すがりついて泣いているの姿が脳裏にこびりついて離れない
が泣いたり、落ち込んでたりしても、もう抱きしめてやることが出来ねぇんじゃないかって…そう思うとなんだかやり切れない…
「よかったよ、本当に…
あんなことして、もう以前のように笑いかけてくれないとしても、記憶が戻ってよかった…」
「はそんなことするような子じゃないよ
ゼロもよくわかってるだろ?」
「あぁ…そうだな…」
仕事を片付けて、夜遅くに自宅に戻った
部屋の前にはがいて、おかえりなさいとニコッて笑ってた
「!
ビックリさせんなよ、何してんだ?
寒いだろう…電話くれればもっと早く帰ってきたのに」
「謝りたくて…」
「いいから、早く入れ
なにか暖かいもの入れるよ」
の背中を押そうとして、躊躇した
灯りをつけて冷えきった部屋を温める
「コーヒーしかないけどいいか?」
「うん、ありがとう…」
暖房をつけて、ブランケットでの身体を包んだ