第86章 Overflowing feelings
「抑えられる自信ねぇよ…」
頬を赤くしてチラッとこちらを見てた
「諸伏さん…」
「んー?」
そのままで聞いてくださいと前置きをしてから自分の今の気持ちを伝えた
「あの時、なんであの言葉が出てきたか
ほんとにわかんなくて…それで…その…」
「もういいよ、それ以上言わなくて…わかってるから…いつか本心でそう思って貰えるように、俺、頑張るから…」
「え、それって…」
「そう、俺もが好き…」
「えぇ?」
待って…待って…
「答えは今急いで聞くつもりないから…」
完全にフリーズした私の顔の前でヒラヒラ手を振る諸伏さん
「!」
「え、あぁ…」
「全く気づいてなかったって顔だな…」
そういう所はなーんも変わってないな
ポンポンと頭を撫でなれて
そろそろ帰ろうかと背中を押された
ポカンとしている私をクスクス笑う諸伏さん
松田さんの時も、驚いたけど…
諸伏さんにそう言われて輪をかけて驚いた
帰りの車内でボーッとしてしまってて
着いたよと即されるまで、自宅に到着したのも気づかなかった
「あ、すみません
ありがとうございます」
「おやすみ」
「おやすみなさい」
私が部屋に入って灯りを着けるまで諸伏さんは見届けてくれる
いつもそうだ
松田さんも諸伏さんも本当に優しくしてくれる
いつかちゃんと2人の気持ちに答えなきゃいけない…
傷つけなくないとそう強く思った