第83章 mafia
私を説得しようと必死さが伝わってくる
心配してくれてると思う
でも、これ以上好きにさせとく訳にもいかない
許可を取り潜入捜査をすることとなった
諸伏さんと松田さんに会議室に呼ばれた
潜入捜査としての心得とどう対処したらいいか諸伏さんが直々に教えてくれる
潜入捜査用の名前と身分証明書、偽の経歴を渡された
松田さんはまだ反対しているみたいで、不安そうに私の顔を見つめた
超小型の盗聴器、見つからないような場所に付けといてと渡された
名刺に書かれていた番号に電話をする
「電話をくれて嬉しいです
今夜19時にお待ちしております
ドレスコードはイブニングドレスですよ」
わかりましたと電話を切って待ち合わせ場所を報告した
「ホテルか…食事の後どうかしようってのが見え見えだな…」
「やっぱり行かせたくない」
松田さんは私を見張るための会議に参加するため、諸伏さんと二人きりになった
「危険だって思ったら、直ぐに助けを呼べ
いいな?」
「はい…」
「もうこんなことさせたくないって思ってたのに…なんでそんなに覚悟を決められる?
下手したらヤク漬けにされるかも…もしかしたら、殺されるかも知んねぇんだぞ」
「だって…私は警察官だし…
諸伏さんや松田さん、他の仲間達がいるし
そうなる前に逮捕してくれるって信じてるから」
「…」
力強く抱きしめられた
「絶対、無事に帰ってこいよ」
そう言って送り出された
指定されたホテルの前にきた
イブニングドレスに身を包み、ロビーに入ると
妖艶な笑みを浮かべたボスに出迎えられた
「やはりあなたは磨けば光る
ここまでとは予想していませんでしたが…
とてもよく似合っていて、綺麗だ」
「ありがとうございます」
甘いセリフに絆されないように気をつけながら
めいいっぱいの笑顔を浮かべた
差し出された手を取って、レストランへ案内された