第81章 return
松田ともちょうど帰りで2人を部屋で飲もうと誘った
適当に酒を買い込み、復帰の乾杯をした
久しぶりにベースを触りたくなって2人に披露した
「そーいや、降谷とよく弾いてたな
懐かしい、あの曲弾いてくんねぇか?」
「任せろ」
ゼロとよく弾いたあの曲
久しぶりでも指が覚えていた
が目を閉じて俺の弾く曲に耳を傾けていた
「私、この曲覚えてる…」
「え?」
「本当か?」
誰かが落ち込んでいた私に弾いてくれたと微かな思い出を語った
「諸伏さん達だったんですね」
「確かにこの曲は好きだった」
もっと聞きたいと言うのリクエストで俺はベースを弾いた
松田は風呂に行くと言ってバスルームに向かう
「俺が一番最初に覚えたのがふるさとでゼロにもこれを教えたんだ」
「へぇー、古風ですね」
ふふっと笑うに釣られて俺も笑った
「諸伏、風呂サンキュー
お前らも入ってくれば?」
上半身裸の松田にギョッとしてわ背を向けた
「何恥ずかしがってんの?今更だろ?」
「やっぱ無駄にいい身体過ぎませんか…」
記憶なくしてからも松田の裸を見る機会があったような口ぶりにムスッと2人を見つめる
「いや、違うんです
松田さんどこでも着替え出すっていうか…あの…」
「そんな慌てたら余計に怪しいつーの
安心しろ、諸伏…とはそんな関係じゃなくなってるから」
最後の部分だけ俺にしか聞こえないように呟いた
にも風呂を勧めて俺はベースを片付けた
にベットを譲って俺たちは床で雑魚寝だ
「なぁ、お前はさ、毎日一緒にいて抑えられる自信あるのか?」
「ねぇよ、そんなもん…毎日必死だ」
「だよな…」
「記憶なくしてても、かわいいって思う所はなんも変わってねぇし」
「時々、恐ろしく色っぽく見える」
そうだと言う松田
プッと2人で吹き出して、笑いあった
「今のが好きになるやつは誰だろうな」
「さぁな、俺は俺のやり方でいかしてもらうよ」
しばらくすると松田の寝息が聞こえてきて
が眠っている寝室に足を向けた
これは卑怯と分かっているけど、眠るの唇に自分の唇を重ねる
はもう一度、俺の事を好きになってくれるのか…