第80章 thunder
「千葉さん、初恋の子のことが忘れられないって素敵すぎます」
「いや、どこにいるかもわかんないんだけどね」
「案外近くにいるかもしれないぞ」
「高木さんだって、いつの間にか佐藤さんとまとまっちゃって…先輩たちから凄まれてるじゃないですか」
「これでも減った方だよ、佐藤さんは相変わらず人気者だけど、さんが刑事課に来てから人気を二分してくれてるから」
「私ですか?」
キョトンとして信じられないといった感じの
「松田くんが番犬みたいにいつも隣にいるからみんな話しかけたくても話しかけられないのよね」
途中から佐藤も会話に入って人を犬呼ばわりする
「おい、番犬とは酷くねぇか?」
「そう?ぴったりだと思うけど?」
なんだと、こらと佐藤と言い合いをしているとまぁまぁとが止めに入った
「松田さん、グラス空ですよ
ビールでいいですか?」
気を利かせて注文をしてくれる
そういう所は、なんも変わらないのに…
なんで、俺達のことだけきれいに忘れてるんだ…
俺が好きだと言ったことも…忘れてる
チクンと胸が痛む
宴会も進んで、酔ってるやつもチラホラいてそろそろ解散となった時、新人がを送っていくと名乗りをあげた
の手を取って、連れていこうとした時、が立ち止まって、俺の背中に隠れた