第80章 thunder
「なぁ、諸伏…」
「なんだ?」
酒をいくつも買い込んで諸伏の家を尋ねた
定期的に家の場所が変わるから、捕まえるのに苦労する
FBIのおかげらしい
「降谷って…のこと好きなのか?」
飲んでいたビールを吹き出しそうになって、むせていた
「ゼロが?まさか…」
「にキスしようとしたらしいぞ…安室さんの時に…」
「キスだって?」
今までの事を思い返しても降谷がを恋愛対象としてみているなんて思ってもみなかった
「ゼロが…を?」
諸伏も信じられないといった感じでボーッとしていた
暗闇を怖がっていたこと、降谷の事を諸伏にも話した
「が苦しんでるのに、なんも出来ねぇ、怖がらせるだけだったよ…」
「もどかしい気持ち俺にもわかる」
どうすべきか答えは出ず…
無力な自分たちに落ち込むしかなくてまた浴びるように酒を飲んだ
登庁したら、新人の刑事がを捕まえて何やら質問攻めにしていた
「なるほど!」
「私もここではまだ新人だからこれくらいしか答えられなくてごめんね」
「いえ、勉強になりました」
なんだか絵になる2人を見ていたら、また嫉妬心に支配された
「あ、松田さんおはようございます」
「おはようございます」
「あぁ」
素っ気なく答えてしまって自己嫌悪に陥る
「寝不足ですか?」
新人との話を終わらせて俺に近寄ってくる
「まぁな、諸伏と飲んでて飲みすぎた」
「コーヒー入れましょうか?」
「頼む」
新人の視線を感じでそいつを見ると、対抗心むき出しって感じで俺を見ていた
こいつもの事…
休憩中にを連れて自販機に行くと、千葉と新人もいた
「お疲れ様です」
互いに声をかけて、を残して俺は喫煙所に向かった
迎えに行くと、新人が食事に行こうとを誘っていた
俺に気づいた千葉は顔を青くして、無理強いは良くないと新人を諌めていた