第79章 Poaro
クラクションを短く鳴らされてやっと立ち止まった
「、何やってんだ
濡れてんじゃん、乗れよ」
窓が開いて、中から松田さんが顔を出した
「あ、いや…」
「早く乗れって…風邪引いちまうぞ」
車から降りてきて、乗せてあったバスタオルで包んでくれて助手席に座らされた
「ほら、ちゃんと拭けよ」
ゴシゴシとタオルで頭を拭いてくれる
「泣いてるのか…」
フルフルと首を振る
「何かあったんだろうが話はあとだ、着替えなきゃな
お前ん家行くぞ」
車で送ってくれて、佐藤さんにも連絡を入れてくれる
バスルームに押し込まれた
シャワーをして着替えリビングに戻ると待ったかいミルクティーが準備されていた
「ありがとうございます」
「今日はもう上がっていいってさ、事件があればまた連絡がくる」
「すみません…」
「髪、ちゃんと乾かせよ」
髪を拭いてくれるだけってわかってるのに、伸ばされた松田さんの腕にビクついてしまう
「悪い…」
まただ…こんな反応をしてしまった時はいつも松田さんは悲しそうな表情をする
何度もその表情をさせて傷つけてしまったのだろうか…
「ごめんなさい…松田さんごめんなさい」
「ごめん、違う…お前のせいじゃない
俺が手が早すぎるつうか…といるとすぐに触れたくなる…
ハハ…何言ってんだ俺…」
ガジガジと頭をかいてチラリと視線が私に向いた
ドキッと心臓が跳ねる
「触れたい…抱きしめていいか?」
「ダメ…です…」
「本当に?」
松田さんと絡まった視線が離れない
2人でソファーに座っていたのだか、耐えられなくなってスっと立ち上がる