第79章 Poaro
赤井に抗議すべくを連れてまず諸伏に会いに行った
「俺が手を貸すって言ったんだ、に頼み事するのは辞めてくれって諸伏からも言ってくんねぇか?」
「わかったよ、俺もよく言っておくから」
は俺が怒ってると思ってるのか、しゅんとしてしまって元気がない
それを見兼ねた諸伏が、に耳打ちする
「え?嫉妬?」
「諸伏、てめぇ…」
「だって、本当の事だろ?」
そりゃするだろう
が記憶をなくしてから、前みたいに触れられなくなった
俺がを好きだって言ってなくて
つい、前みたいに抱きしめたことがあった
びっくりしたみたいで、身体が強ばっていた
拒否られてるみたいで、しばらく落ち込んだ
なのに、赤井はなんの躊躇もなくに触れたのか…そう思うとドロドロとしたものが湧き上がってくる
に悟られたくなくてベランダに出てタバコに火をつけた
諸伏も出てきて、1本くれと言ってきた
「なんで、バラすんだよ」
「お前が怒ってるって思ってるが可哀想だったから」
「お前は妬かねぇのか?」
「妬きっぱなしだよ、お前にも赤井にも」
フゥと紫煙を吐き出した
「ちょっと前まで、が隣にいるのが当たり前って思ってた…
ガキの頃からずっと一緒だったから…
記憶なくして公安から異動になって、松田の相棒になった
隣にいるのは俺じゃないんだって毎日思い知らされてるよ」
諸伏の横顔が悲しみで溢れていた
そりゃそうだよな…俺と萩原よりも長い時間一緒にいるんだ…忘れられたってキツイよな…
「今日は飲むか!?」
「乗った!」
諸伏の肩を抱くとニッっと笑った
諸伏の家の酒を全部飲み干して、買いたしにも行った
酔い潰れて眠るを眺めながら俺たちはまた酒を煽った
「あったま、いってぇ」
「大声出すな、響くから…」
は案外ケロッとしていたけど俺と諸伏は絶賛二日酔いだ
幸い今日は俺は非番でだけが仕事だ
いってらっしゃいと見送って俺達はまた床に転がった