第75章 The Darkest Nightmare
松田さんからの着信で、緊急徴収があったことを知る
「今どこにいる?」
「え、家です!すぐに向かいます…」
人差し指を立てて黙っていろと赤井さんがジェスチャーするから思わず松田さんに嘘をついてしまった
「警視庁でいいんだな?」
「送ってくれるんですか?」
「巻き込んでしまったお詫びに…近くまでしかいけないが…」
「助かります、ありがとうございます」
近くで降ろしてくれた赤井さんにお礼を行って警視庁へ向かった
さっきの事故は大規模なもので、奇跡的に死者は出なかったそうだ
「警視庁総出で後処理だそうだ、行くぞ」
「はい!」
事故の原因の車の運転手が行方不明
この人物の捜索の手伝いを私と松田さんで行うことになった
ガソリンの匂いが立ち込める現場にやってきた
海に落ちて、泳いで対岸に渡ったのかな
松田さんにお願いして対岸を車で走ってもらう
「泳ぎ着いたのならこの当たりだな、降りて少し歩いてみるか」
「そうですね…」
脱ぎ捨てられた上着を発見した
周りにはガラスの破片
「車のフロントガラスだな…しかも車種はかなり古い
俺が見た黒い車もタイプは古かった」
「松田さん車目撃したんですか?」
「あぁ、警察庁から逃げていく黒い車をな」
ガラスの破片を辿ればさらに対岸には東都水族館があった
「水族館か…あそこに行った可能性はあるよな」
「そうですね…この当たりで身を隠せるところと言えばあそこくらいですもんね…」
ダメもとで行ってみるかと水族館へ向かった
「本当はこういう所は捜査じゃなくて、デートで来てぇよな」
「松田さんならデートしたいって女の子いっぱいいるんでしょうね」