第8章 Dream 萩原 松田 降谷視点
萩原とお嬢さんと3人で夜の海に花火をしに来た
こんな事久しぶりだった
会えばいつもニコニコしているがの笑い方には寂しさも垣間見えてる気がしていた
「難しいこと考えないで、あぁやって笑ってられたらいいのにな」
俺の呟きに萩原が反応して花火をしているお嬢さんの元に駆け寄る
「ちゃん、俺にもちょうだい」
「いっぱいあるのでどんどんやっちゃいましょう
松田さんも早く!」
おいでおいでと呼ばれて花火を受け取った
「きれい」
手持ち花火をやり尽くして線香花火で締める
「あー、楽しかった」
「たまにはこういうのいいね」
「気分転換にはもってこいだったな」
砂浜に座り込み夜空を見上げる
「天の川きれいに見えますね」
砂浜に寝転がったはポツリと呟いた
「織姫と彦星はちゃんと会えたかな
あ、流れ星…」
ほとんど独り言のように喋っていた
萩原が堪らず吹き出した
「俺らを会話に入れてよ」
「あ、ごめんなさい…バイトから帰ったらほとんど1人だから…つい…」
一人暮らししていると言っていたな
あいつらからも散々言われているだろうけど、十分に気をつけて欲しい
この街は治安が悪いから…
「さてと、そろそろ帰りますか?門限あるんでしょう?」
「ちょっとくらい遅れたって…」
「ダメです!」
「もうちょいちゃんと一緒にいたいなー」
萩原が甘えたようにお嬢さんに擦り寄っている
「はいはい、松田さん帰りましょ
萩原さんは1人でここにいるらしいので」
「なに?置いていく気?!」
「ははっ、お嬢さんにその手は通用しねぇって学習しろ」
「松田さんが笑った…」
そんな人を全く笑わないみたいな言い方するな
「無愛想なだけで陣平ちゃんだって笑うって」
おい、萩原…お前まで…
帰りの車の中でもう1回笑ってと連呼してくるお嬢さんをちょっとウザイと思ってしまった…
そういうウザさは降谷に似てる…