第70章 Notice
優しい由衣さん、お母さんみたいに優しく包み込んでくれた
「…っ…」
「泣け泣け、いっぱい泣いてすっきりしたら戻っておいで
デザートが待ってるよ」
頭を撫でてくれて、由衣さんは部屋に戻っていく
変わりに来たのは高明さん
「なんだ、結局自分で行くんじゃない…」
「ほっとけなくて、すみません…
最初から自分で行くべきでした」
「高明さん…」
「今にも壊れてしまいそうなあなたを私では救ってあげることができません…」
頬に流れた涙を拭ってくれて、ハンカチを握らせてくれた
「これは景光の役目なのに…
私では、拭ってあげる事は出来てもあなたの涙を止めてあげることはできませんから…」
「高明さん…」
なでなでと頭を撫でてくれる
「私…誰かに守られてばかりで、頼って、甘えて…
変わりたくて…誰かを守れるようになりたかったのに…、結局こっちでも皆さんに支えてもらって
本当に情けないです…」
「あなたは与えられるばかりでしたか?
きっとあなたも誰かを支える立場だったでしょう
持ちつ持たれつ…人は1人では生きていけません…」
高明さんの言葉に背中を押された
陣平さん達に謝ろう
もう手遅れかもしれないけど…
もういらないって言われちゃうかもしれないけど…
やっぱり、陣平さんも研二さんもヒロくんも
私の大事な人には変わりない
高明さん達にお礼を言って私は東京に戻った
東京駅でスマホを開いて陣平さんの番号を探す
すみません、と綺麗な女の人に声をかけられた
私の記憶はここまで…
目を覚ましたら、拘束されてて身体が熱かった