第69章 farewell
「ねぇ、松田さん達と仲良かったよね?」
「うん、今日も終わったらご飯行く約束してるけど…」
同僚が突然神妙な面持ちで尋ねてきた
「私、前から松田さんのこと気になっててさ
お願い!今日のご飯私も一緒に行きたい!」
真剣にお願いされて、断れない私
待ち合わせ場所で同僚を紹介した
コミュニケーション能力が高い研二さんは、みんなで行こうよと快く受け入れてくれた
陣平さんは特に何も言わなかった
「私、松田さんの横がいい!」
積極的に陣平さんと絡んでいく同僚は本気で好きなのが伝わって来た
料理をいくつか頼み、乾杯する
お酒も進み同僚のアピールが激しくなっていく
陣平さんがイライラしてるのが手に取るように分かった
研二さんをチラ見すると苦笑いをしていて、「陣平ちゃん狙いなの?」と耳打ちしてきた
「ここまでとは思ってなくて…どうしよう…」
「俺が何とかするから、大丈夫」
ポンと頭に手を置かれた
「俺とも飲もうよと」
同僚の横に行く研二さん
陣平さんがホッとしている
コソッとごめんねと言うと、苦笑いで返してくれた
イケメン2人に挟まれて気分がいいと言った彼女はドンドンお酒を飲むペースが早くなっていく
大丈夫かなぁ…確かそんなに強いわけじゃなかったはず…
声をかけるも、大丈夫大丈夫と上機嫌だった