第8章 Dream 萩原 松田 降谷視点
「ちゃんは、なんでそんなに勉強頑張ってるの?」
化学が苦手だというちゃんに得意な陣平ちゃんが見てあげている様子を眺めているのにも飽きたので唐突に聞いてみた
「え?うーん…わかんない…でも知らない事を知るのは面白いよ
最近はロシア語の勉強もしてるの
何かの役に立つかなって」
「ロシア語?!どんな単語があるのかも全然わかんねーんだけど…」
その他に中国語、フランス語は一通り勉強したそうだ
中国語なんて謝謝しか知らねぇぞ…
「そんな何ヶ国語も話せるようになって何になりたいとかあんの?」
「笑わない?」
「「笑わない」」
恥ずかしそうに「警察官…」と答えた
予想はしていたけど、なるほどなーと思った
「ヒロくんと零くんには言わないでね
反対されちゃうかもしれないから」
「なんでだ?応援してくれそうだけど?」
「2人とも過保護っていうか…子供の時から危険な事は絶対させてくれなかった
2人はやんちゃだったのに、いつもお前はここで待ってろって川に飛び込んだり、高いところ登ったり…
私はいつも置いてきぼりで、寂しかったな…」
「それは、ちゃんが女の子で小さかったからじゃない?」
「それもあると思うけど、幼いなりに2人について行きたくてしょうがなかったんだよね
特にヒロくんは、私の事まだまだ子供だって思ってるから…」
なーんだ、そういう事か…
対等になりたいって思ってるから、何事も一生懸命で頑張り屋さんなんだ
ますますに興味が湧いた
「言わないから安心してね、なぁ陣平ちゃん」
「あぁ、絶対言わない」
「ありがとう」