第62章 Mistery Train
車を発進させた零くん
ヒロくんの家について、直ぐに私の首元に目をやった
「これ、どうした?」
「ベルモットの目を誤魔化すため
安室透のお気に入りとわからせるためにあいつの目の前で付けた」
「くそっ…」
零くんの話を信じたのか、キッチンにいきイラつきながら飲み物の準備を始めた
「ヒロくん、私やるよ?」
「いいっ、座ってろ」
そういうふうに言われて、すっかりしょげてしまった私
苦笑いする零くんの隣に腰を下ろした
「はこっち」
自分の席の隣をポンポンと叩く
「独占欲が強いな」と零くんに言われたヒロくんは、お前のせいだとプイッと顔を背けながら言った
「ヒロも赤井は死んだって思ってるか?」
「なんだ急に…キールに撃たれたって教えてくれたのはお前だぞ」
「そうだったな…あのベルツリー急行に赤井によく似たやつがいたから気になっただけだ」
零くんがまた連絡するといい部屋を出ていった
ヒロくんからシェリーの保護は成功したと聞いた
「どうやって?」
「怪盗キッドだよ」
「キッド?!」
あのエロ怪盗!と思い腹が立ったけどシェリー保護に一役買ってくれたことを感謝して、このことは黙っておこうと思った
「どうかしたか?」
「ううん、まさか怪盗キッドだとは思わなくて、ビックリしただけ」
「赤井も大胆なことするよな、バーボンの前に変装無しで現れるんだから」
「じゃぁ、やっぱ…零くんが見たのは本物の赤井さん?」
「そ、バーボンの出方を見たかったんだってさ」
赤井さんのすることだから、心配ないんだろうけど…大丈夫かな?
赤井さんが生きてるって組織にバレなきゃいいなと思って、ヒロくんの家を後にした