第58章 Detective
その間もグイグイと沖矢さんの肩を押し返すけど、全然ビクともしない
「沖矢さんも、お姉さん離して…」
「しょうがないですね」
パッと手を離されて、支えがなくなって後ろに倒れ込んでしまった
「いてて、急に手退けないでください…」
「黒…」
「はぁ?」
急速にコナンくんが振り返って頭を抱えていた
「見えてますよ…」
尻もちをついてスカートの中が丸見えで、それをコナンくんと沖矢さんに見られた
「わわっ…ごめんなさい…」
スカートを抑えて恥ずかしくなって俯いた私に沖矢さんが手を差し伸べてくれる
1人で立てますと立ち上がると、嫌われてしまったようですねと残念そうな沖矢さん
「バーボン…」
「え?」
「組織から抜けたシェリーという女の捕獲にバーボンが動き出した
何を仕掛けてくるかわからないから、警戒している所だ…」
「シェリー?」
写真の赤みがかった茶髪の女性…
「シェリーが見つかったら?彼女は?」
「組織に連れ戻され、最悪殺される…」
それを零くんがするの…
邪魔するなと言われそうだけど、人殺しにはさせたくなかった
「わかりました、なにかわかったらまた連絡します」
博士の家に寄って見てもらったスマホを受け取って本庁に戻った
電源を入れると研二さんと陣平さんからたくさんの着信…
昨日の事聞いたのかな…
問い詰められるのを覚悟した
ビクビクしながら廊下を歩いていると鬼の形相をした研二さんに見つかった
「陣平ちゃん!ちゃん見つけた
そう、そこの会議室に追い詰める」
ちょっ、追い詰めるってなに?
本能的に逃げてしまって、予告通りに会議室に連れ込まれる
「はい、確保ー
覚悟してね?」
「なに?」
「まぁ、詳しい話は陣平ちゃんが来てから」
沈黙が重い…
取り調べ室の犯人てこんな感じかな…
ガチャリとドアが開いて、息を切らした陣平さんがやって来て、ギュッと抱きしめられた