第57章 torture
「好きだ…が好き…」
「え?待って…」
抱き起こして、腕の中に閉じ込めた
「が好きだ」
抑えきれなかったへの気持ち
肩を震わせているは両手で顔を隠していた
手を退けて顔をのぞき込むと泣いていた
泣かれるとは思ってなかったから、慌てた
「?ごめん、嫌だったな…」
「どうして?今言うの?」
「え?」
「何年か前の私なら喜んでた…組織に関わることになっちゃって、ヒロくんへの気持ちに蓋したの
今は組織を潰すのが最優先…
陣平さんにも返事待ってもらってる…」
「お前の今の気持ちは?」
「忙しくてそれどころじゃないのが本音…でも、嫌じゃないから困ってる」
困ったように笑うの事を抱きしめた
「気づくの遅くてごめん…」
「本当だよね、すれ違ってばっかりで…私がヒロくんを好きな時はヒロくんは全然振り向いてくれなくて、今度は私が…」
何もかも全部終わったら…もう一度考える
そう言ったは強くて、綺麗で…
松田には渡したくないって思った
「でも、私、ヒロくんに好きでいてもらえるほどの人間じゃないよ」
俺を引き離して、告げられた信じ難い事実
何度も未遂だけどハニトラしたと
それは知ってる…
松田や萩原とも肌を重ねた事あると
松田とは、今も続いてる
最低でしょ?私…
泣きそうに言うから抱きしめたくなった
「誰とも付き合ったことないのに、バージンじゃないなんて、そんな子好きになっちゃダメだよ」
「そりゃ…激しく嫉妬してるけど…俺もの事抱いたし…今も手に入らないなら抱き潰したいって気持ちも無いことは無いし…
全部終わったらもう一度好きって言うから…返事はその時に聞かせて?」
「ヒロくん…」