第56章 Secret
風見さんがやりすぎだと止めるまで何度も…
「やめて…」
後ろからヒロくんに抱きついて、彼を止めた
「後ろ向いてろって言ったのに…」
「もういいから…ヒロくんの手が…傷ついちゃう…」
「の方が傷ついてる」
震えてると言われた
あぁ…そっか…怖かったんだ、私
自覚したら腰が抜けてヘナヘナとその場に座り込んでしまう
零くんが現れて現場の空気が凍りついた
なにか怒っている
風見さんの前に立ち彼を睨みつけた
「誰の許可を得て、に潜入させた?」
「降谷さんは彼女を好きに使えと…」
零くんの指示じゃなかった?風見さんの判断だったの?
「それは、ハニトラ以外のことだと念を押したはずだったがな」
よく覚えておけと風見さんに言い放ち、腰が抜けてヒロくんに支えてもらっている私に膝をついて目線を合わせた
「すまない…知らなかった…止めてやれなくてごめん…」
「零くんがくれたワンピース、ダメにしちゃった…ごめんなさい」
「そんなの、また買ってやるから」
撫でてくれようと伸ばされた手が私に影をつける
フラッシュバック…
影がきっかけになって、さっきの事が一瞬蘇った
ギュッと目を閉じてしまった…
「僕が怖い?」
「あっ…違う…違う…零くん、じゃない…
どうしよ…止まんな…」
ポロポロと流れ出る涙を止められない
ヒロくんが必ず来てくれるから、心配ないと言い聞かせてた
1人だと思っていた相手は2人で
変な薬を注射されそうになった
得ていた情報と少しずつ違っていて、それは恐怖になってたって事を今更自覚した
「…」
触れるからなと前置きをしてヒロくんに抱き抱えられて現場を後にした
「ゼロが風見さん叱っとくって」
「ヒロくん…来てくれてありがとう」
「さっき遅いって怒られたけど?」
「来てくれるって信じてた」
会話になってねぇぞとヒロくんが吹き出した
沖矢さん姿の赤井さんの車に乗り込んでヒロくんのセーフハウスに戻った
「赤井さん、協力ありがとうございます」
「いえ、役得でしたし」
ヒロくんの前でそれは言わないで欲しかった
私を抱きしめてるヒロくんの腕が強くなった
歩けると言ったのに黙ってろと短く言われて抱き抱えられてバスルームまで連れてこられた
パーカーを脱がされて前がはだけている姿が晒される