第55章 fake
「ヒロくん、いってきます」
が声をかけても機嫌が直ることはなかった
ボーイに今日もご来店ありがとうございますとにこやかに言われた
「お気に召して頂けたようで光栄です」とオーナーらしき人物が近づいてくる
「彼女の虜になってしまったようで…恥ずかしげもなく今日も…」
「ここ最近で1番の掘り出し物の女の子ですからね
可愛がってやってください」
「もちろん」
お待たせしましたとが席に着く
「これは、また…」
「そんなに見ないで…」
今日はコスプレか…周りはナース服、女医、OL、セーラー服など、男が好きそうな制服を着て接客されている
は婦警の格好をしていた
スカートは短く、水色のシャツもピチッと肌に密着していて彼女の大きな胸をより際立たせていた
「ごゆっくりどうぞ」とオーナーが席を外した
「狙ってますか?」
「言わないでください、これしか残ってなかったんです」
周りに聞こえないようにコソコソと話をする
「逮捕しないでくださいね」
「銃刀法違反なら多めに見ます」
クスクスと笑うはまた昨日とは違った色香を醸し出していた
「婦警さんこそ、スカート短すぎませんか?」
「ちょっと…まだダメです」
その太ももに手を滑らせるとやんわりと断ってくる
断られると余計に触りたくなるのが男の性なのをよく知っている
「バーボン、ですよね」
「お願いします」
「今日のアフターは?」
「さっき店の女の子から相談があると誘われたんです
いい機会なので、ちょっと探ってきますね」
「残念ですね」
サワッとスカート越しに彼女のしりを撫でた
ギロりと睨まれてその手を引っ込める
1回目の暗転
昨日と同じように跨ってくるのシャツのボタンを外した
「沖矢さん…」
「フリです、オーナーがこちらを見ているでしょ
バレますよ」
「…っ……、お手柔らかにお願いします」
シャツの裾から手を滑り込ませて、胸を揉んでいるかのように装う
「ほら、気持ちよさそうな顔をしてください」
「そんな…」
「できないですか?」
一瞬だけ、むにっと胸を触ると切なそうな吐息が耳に届く
「手伝ってあげますね」
「あっ、沖矢さん…」
シャツの上からたわわな胸をゆっくりと揉みしだいた
すまんな、諸伏…お前との約束は守れなかった