第5章 graduate
俺達も卒業に向けて一気に忙しくなった
卒論や警察学校入校のための試験勉強
寝る暇もない
フラフラしながらが一人暮らしを始めたマンションへ向かう
「ーなんか食わして…そして、1時間後に起こして…」
「うわぁ…ヒロくん大丈夫?」
飯をねだっといて先に眠ってしまった
いい匂いがしてきて目が覚める
「あ、起きた…ちょうど1時間くらいだよ
ご飯も出来てる、食べれる?」
「悪ぃ…ここんところくなもの食ってなくて…」
「寝れてもないんだね」
が持ってきてくれたのは和食でキチンと栄養バランスが取れてるって感じで見るからに美味そうだった
「いただきます」
食べている最中に部屋の片隅に置いてあるものに目がいく
「なんだ?あれ」
「最近、発明に凝ってて」
近所に住む博士と知り合いになり、いろいろ教わっているそうだ
「作るものはあんまり需要なさそうなんだけどね、博士の話が面白くてつい通っちゃう」
の人脈は時々不思議だ
一時期、マジシャンや小説家と意気投合したり、その女優をやってた奥さんに気に入られて演技指導を受けたりと大人と気が合うらしい
「いつか何かの役に立つかもしれないでしょ」がの口癖となっていた
「はぁ~食った食った」
ごちそうさまと手を合わせた
ちょっと会わない間には綺麗になっていた
化粧を覚えたせいもあるだろうけど、急に大人びた
「ゼロが言ってたぞ、また告白断ったんだって?」
「零くんおしゃべりだなぁ…」
「なんで断っちまうんだ?」
「ヒロくんと零くんがいい男過ぎて、他の人が目に入りません、どうにかしてくださーい」
「なんだそれ…」
いつもこれだ、どこでそんな言い回し覚えてくるだろうか
「上手くなったな、いろいろ」
いつからだろう、がホントの事を言ってくれなくなったのは…
はぐらかされてしまう
ちょっと寂しく思っていた