第52章 Sigh *
「飲みすぎじゃねぇの?」
新しい日本酒の飲み方をさぞ気に入ったようでグイグイと飲み進めるに一応警告した
「大丈夫大丈夫、明日久しぶりのオフだし
もうちょっと付き合ってよ」
「まぁ、俺も非番だからな
あんま飲みすぎんなよ」
うんと返事しただったがだんだんと目がトロンとしてきていた、こいつ大丈夫か?
「陣平さんとこうして飲んでる時間好きだなぁ
疲れてたのも忘れちゃう、楽しいね」
ゴロンと寝っ転がってクッションを抱きしめながらそう言った
唐突にそんなことを言うもんだから、は?とマヌケな声が出た
「またお前はそういう事を軽々しく…」
「楽しいよ、陣平さんといるの」
トロンとした顔でふにゃりと笑う
サラサラの前髪を撫でて拓けたおでこにキスを落とす
これは今のの精一杯の俺への返事なのか、楽しいと言ってもらえて心が弾んだ
落ち込むのも持ち上がるのもの一言次第
いつからこんなに女々しくなったのだろうと不思議に思う
考え込んでいた俺を寝返りをうって下から覗き込んでくる
酒に酔った赤い顔、少し潤んだ大きな瞳
酔って火照った身体…ブラウスの襟元からピンクに染まった胸元が見えていた
わざとか?と疑いたくなるくらい全身が俺の事を誘ってくる
にそんなつもりはないことは、よくわかっていた
「見えてんぞ、それ…」
目を逸らして、指摘した
「あ、ごめん…」
起き上がって背を向けて服を直す
「警察官としては優秀なのに
ほんと、学習能力ないのな…」
「ごめん…気が抜けてた…」
「まぁ、無意識な誘いに乗っちまう俺も学習能力ないよな…」
後ろからを抱きしめて久しぶりの身体の感触を堪能する
「身体付きがまた女っぽくなったな」
「そんなこと、わかんないよ…」
お腹をさすった俺の手を退けようとの手が重なる
「陣平さん擽ったい」
首に顔を埋めたから髪が当たったのか擽ったいと身を攀じる
俺の事を拒むなと散々言ってきたから、身を固くしながらも嫌だとは言わないこともわかった上で、サワサワとの身体を触る