第49章 Healing
「なんなんだよ、あれ…」
が帰ってからしばらくたって我に返った俺はそう叫んだ
「癒してって陣平ちゃんが言うから、ちゃんなりの癒し方なんじゃねぇの?
それより顔…緩みっぱなしだけど?」
萩原に指摘されてようやく緩んでいる自分に気づいた
「なんだよ、可愛すぎる…」
その辺にあったクッションを抱きしめてポテンと床に転がった
「好きな子にあんなことされちゃ、そうなっちゃうよね、陣平ちゃん」
「うるせーほっとけ…」
明日、覚えとけよ…
そう思いながら片付けをしてから萩原をベットから蹴落としてから眠った
翌日、本庁内を時間を見つけてはを探して歩き回った
「くそっ、なんでいねぇんだよ」
今日は登庁してないのか?と思い始めた時、やっと見つけた
休憩所のベンチに座ってぼーっとしている
「確保!」
「わっ!陣平さん?」
「こら、逃げようとすんな」
後から抱きついたのにジタバタと暴れ回って逃げようとしている
「暴れんなって、言ってんだろ」
「うっ…」
「ちょっと来い」
の手を掴んで会議室に押し込んだ
「陣平さん、なに?」
「なにじゃねぇよ、昨日、あんなことされたお礼しっかりしなくちゃな」
「お、お礼?」
「やられっぱなしは悔しいからな」
壁際まで追いやっての顔の横に手をついた
「え?陣平さん?」
慌てふためいている
少し近寄ると目をぎゅうとつぶった
後頭部に手を滑り込ませグイっと自分の方に引き寄せた
「え?」
「なんだ?キスするとでも思ったか?」
そう思ったんだろうな…グイグイと胸を押し戻されたけど、逃がして溜まるか…そういう思いで腰も引き寄せた
「そんなにして欲しいならするけど?」
「違うもん」
ギュウと抱きしめるとの心臓の音が伝わってくる
「すげーな、バクバク言ってる
ドキドキしてんの?」
「するでしょ…こんな場所で、陣平さんがこんなに近い…」
恥ずかしがって顔を見せてはくれないけど、きっと耳まで真っ赤になってるんだろうなと想像する
「昨日も今日も可愛すぎ
最近に触れてなかったからな…もう少し…このままでいさせてくれ」
反論の言葉はなかったから、久しぶりのの感触を味わった