第4章 rescue
兄さんが取ってくれたホテルにチェックインしても、はなかなか口を聞いてくれないままそれぞれの部屋に入る
何に怒っているか全然検討がつかない
ゼロからメッセージが来ていてそれに返信する代わりに電話をかけた
「もしもし?長野は楽しんでるか?」
「それが…」
今日起こったことを話しているとゼロは黙って聞いてくれる
「で、が口聞いてくんねぇの、なんでだと思う?」
「それはヒロが自分で気がつかなきゃ意味ないんじゃないのか?」
確かにそうだけど、本当にわからない
「ダメだ、降参…」
「じゃぁ、ヒント
今日1日はお前になんて言ってた?
子ども扱いしないでって言ってたんじゃないのか?」
「そうだな、言ってた
まさか保護者だって言ったことに怒ってるのか?」
「怒ってると言うより悲しんでるんじゃないか?」
「なんで?」
「自分で考えろ!じゃぁなにもよろしく」
待てよと言いたかったのにもう電話は切られていた
コンコンとノックする音が聞こえた
ドアを開けるとが気まずそうな顔をしている
「ヒロくん、ごめんなさい
せっかく長野に連れてきてくれたのにこのままじゃ嫌だなと思って…」
の方が俺よりよっぽどしっかりしてる
ちゃんと先に謝れるんだもんな
「俺の方こそ、また無神経なこと言ったのかと…
とりあえず、入る?」
椅子に腰掛けさせてにちゃんと謝った
「俺どうしてもちっちゃいが頭の中にいて、守ってやらなきゃって思っちまう…
はもう俺がそばでいなくても自分でちゃんと立ってるのに、いつまでも兄貴ヅラしちゃってたかな…」
「違うの…そんなんじゃなくて…うまく言えないけど、ヒロくんがそばにいてくれるのはすごく嬉しいの、今日だって頼りにしてた」
それ以上何も言わなくなったの頭をポンポンと撫でる
「今まで通りでいいって事?」
コクンと頷いた
「じゃ、これからもよろしくな」
「こちらこそ」
「今日はいろいろあって疲れてんだろ?
明日はもう帰るんだし、早く寝ろ」
「うん、ヒロくん助けに来てくれてありがとう
おやすみなさい」
「おやすみ」
俺もすぐに眠った