第46章 Rotten Apple
なんだかドッと疲れてしまった
仕掛けてくるかもしれないと言うと赤井さんの言葉に身が引き締まる
赤井さんが帰った後に零くんに報告した
驚いてなかった所を見ると、確信はなかったけど勘づいてたって感じかな
「はぁー」
「後悔してる?組織に関わったこと」
「それはしてないよ」
ポンポンと頭を撫でられて目を閉じた
「ヒロくんの手って不思議だよね、不安だった気持ちもなくなって、安心できる」
私はこの手に守ってもらってきた
だから、今度は私がヒロくんを守る
何が出来るか必死に考えた
「、ちょっと出よう」
「へ?でも…変装解いちゃったでしょ」
「帽子とカツラで十分だよ、もう深夜だし」
ヒロくんの運転でドライブに連れてきてもらった
窓を開けて風を身体にいっぱい受ける
「寒くないか?」
「全然、ひんやりして気持ちいい」
「風邪引くなよ」
ドライブするのは久しぶりで楽しい
夜景もキラキラ輝いて、こんなにゆっくり景色を楽しむのはいつぶりだったかなーと思い返していた
そう言えば、ヒロくんの運転も久しぶり
零くんと違って安全運転だから安心だ
トラウマばりのドライブテクはもうコリゴリ…できればもう零くんの車には乗りたくない
そんなことを考えながらヒロくんの運転する横顔を見つめていた
「そんなに見つめられたら運転しにくいだろ…」
「あっ、ごめん…」
指摘されて恥ずかしくなる
「照れられたら、こっちまで恥ずかしくなるだろ…」
「うっ、え…ご、ごめん…」
「なんだよ、その声」
変なところから声が出てしまって、
2人で吹き出して笑った
連れてきてくれた場所は夜景が綺麗に見える場所だった
冬の冷たい空気が余計に夜景をキラキラさせていて本当に綺麗だった
お互い黙ったまま夜景を見つめていたけどおもむろにヒロくんが口を開いた