第46章 Rotten Apple
「何がどうなってんの?」
プチパニックに陥った私をヒロくんの大きな手が沈めてくれた
「ヒロくん…」
「焦るな、慎重にいけ
車は見つかりやすいから、ここからは徒歩で行くぞ
俺はなにかあった時の為に狙撃できるポイントを探すから、はあの女の子の事を頼んだ」
「わかった、気をつけてね」
「もだぞ」
コンテナに隠れながら哀ちゃん達を探す
耳につけた通信機からヒロくんの合図
「そのまままっすぐ、300メートルくらいかな
そこに車が2台停まってる、気をつけろ」
「了解」
ゆっくりと近づくと背後に人の気配
振り返り銃を構える
「なんだ…赤井さんか…」
「お嬢さんも来たか…」
「これ、どういう状況ですか?」
「シッ静かにしていろ」
いろいろ問い詰めたい…
ここは日本なのになんでライフルとショットガンを持っているのか
銃刀法違反ですが…あ、ヒロくんもか…
銃声が聞こえる
驚いて声をあげそうになったのを赤井さんの手によって塞がれた
「まだ、静かにしてろよ
ベルモットやこいつの持ち主に顔を見られたくなければな…」
ショットガンをカチャっと動かした
赤井さんのじゃないんだ…
口を塞がれたまま、事が起こっている近くまでやって来てここで待ってろと言われた
会話は何となく聞こえてくる
ショットガンの銃声が鳴り響いて車が爆発した
もう1発銃声
「もう出てきてもいいぞ、」
赤井さんに呼ばれて出ていくと光景に目を見開いた
「なに…これ…」
倒れている哀ちゃんと女子高生くらいの女の子
それにお腹を打たれている金髪の女性
「状況は?」
「ヒロくん…何がなんだか、全然わかんない
赤井さんがいた」
「マジかよ…赤井がいるなら無事だな?」
「私は大丈夫だけど、金髪の女性が打たれて…それと哀ちゃんと女の子が気絶してる」
「警察は俺が呼んだ
救急車も必要だな…呼んでおくよ」
「お願い、じゃ車で…」
「赤井さん、どういうことかちゃーんと説明してもらいますからね」
大丈夫ですか?とハンカチを女性に渡す
こんなんじゃどうしようもないくらいの出血だけど…
「あなたがね、シュウのお気に入りの日本警察の公安の…私はジョディ、シュウと同じFBIよ」
「あ、どうもです」