第45章 Temperature
「これくらいは許してくれな…」
見つめているとゆっくり目が開いて、みるみるうちに顔が赤くなっていくは面白い
パクパクと金魚のように口を開いたり閉じたり
この状況に驚いている
「抱きついてきたのはだからな」
「え、うそ…ごめん…起こしてくれてよかったのに」
「お疲れみたいだったし、俺の胸ならいつでも貸してやる」
「ふふふ、ありがとう」
冗談だと思っているのか軽く笑って流された
離れていこうとするをまた腕の中に閉じ込めた
「ゼロの言うこと、全部聞かなくていいんだぞ
無理なら無理ってちゃんと言えよ」
「うん、大丈夫だよ、さっきはあぁ言ったけど、ヒロくんがもう隠れ過ごさなくてもいいように、私も手伝いしたいから」
「俺のため?」
「ビクビクしながら隠れ続ける訳にもいかないもんね…ヒロくんを同期のみんなと堂々と会えるようにしてあげたいな…っておこがましいかな、私…」
ぎゅうっとが痛がってしまうんじゃないかって言うくらい力強く抱きしめる
が俺の為に頑張ってくれる事が嬉しかった
「ヒロくん…?」
「ごめん…もうちょいこのまま…」
しばらく抱いていて身体を離すと俯いてしまった
名前を呼んで顔をのぞき込むと見ないでと顔を押し戻された
「顔、洗ってくる…」
パタパタと洗面所に駆けて行った
チラッと見えた顔は真っ赤で女の顔をしていた
そんな顔を見せられて、俺の顔も熱を持った
ヤバいな…
これ以上一緒にいたら押し倒してしまいそうだ
まだ出てこないのゼロのとの連絡用の携帯がなっていると伝えにいく
「えー、今日はもうないって言ってたのに…」
電話を終えたは出ていく準備をしている
慌ただしくバタバタと出ていったを見送って俺は玄関に座り込んだ
「参ったな…」
しゃがみこんで壁にもたれかかってそう呟いた
まだ伝えるわけにはいかないのに、溢れだしそうなへの想い
の匂いが残る身体を服を着たまま頭からシャワーを浴びた
シャワーのお湯と共に一旦への気持ちを流し落とせたらいい、そう思った