第38章 FBI
この人どこまで本気なのか全然わからない
ペースを乱されてばかりでなんだか悔しい
連絡先を交換してその晩は解散した
いよいよ、ヒロくんの身に危険が迫ってる
早くどうにかしないと…
私の上司には自分がFBIということは隠し通してくれと言われたので、零くんには黙っておくことにした
赤井秀一から聞いた話をまとめると
組織の大物コードネーム、ジンは死んだ人間には興味を示さないこと
裏切りには制裁をもって答える…つまりは死…
久しぶりに阿笠博士の所に行って相談した
どうにか人を死んだように見せかけられないかと…
「あるにはあるが…くん、これは…」
「ごめんなさい、博士
詳しくは聞かないで…お願い」
「君の頼みなら…」
「ありがとう」
早急に仕掛けを作った
何とか出来上がり、ホッとしているとヒロくんからメールが届く
"ノックだとバレた
ごめんな、巻き込んで
ゼロの事頼んだぞ"
待って、待って!
ヒロくん、早まらないで
急いで電話をかけると出てくれて安心した
「ノックとバレたのは誰に?」
「ジンという大物だよ、ライが俺の事殺しに来るはずだ」
ライ…赤井秀一
なら、乗り切れるかもしれない
「どこで会うの?」
場所を聞き出してそこに行く前に私と会ってとお願いをした
「ヒロくん、今ならまだ間に合うから、お願い!」
「あ、あぁ…」
移動中に赤井さんに空砲の準備をしてもらう
一旦ヒロくんは死んだように見せかけなければならない
スコッチとバーボンは組織の中でも相棒だったらしいから、本当にライを恨むように持っていかなくては…演技じゃなくて本当に、そして頃合いを見計らって全てを打ち明ける
ジンにスコッチを殺すように命じられたライにも見張りが着くだろう
彼がスコッチを逃がさないように
上手くいくのか不安だった…
でも、やらなきゃ…
ヒロくんと合流した
「どういうつもりだ?」
「待って、まず血を抜かせてもらう」