第38章 FBI
今日はまだ来てないか…
マスターにミントジュレップを注文して諸星大が来るのを待った
今日はもう来ないのかなーそう思って帰ろうとバーのドアを開けたら、そこには諸星大が入ってくる所だった
「なんだ、お前か…もう、帰るのか?」
1杯付き合えとズルズルといつもの席に連れていかれた
「もー、帰る所だったのに」
「お前みたいな女を隣に置いているだけで、俺は鼻が高い」
ドキッ…
ハニトラをかけなきゃいけない相手になにときめいてるんだ、しっかりしろと気合を入れ直した
「そんなこと言ってもなんも出ませんよ、あなたならどんな女も選び放題でしょ?
私なんか隣に置いておくと、誰も寄ってきてくれませんよ?」
「うるさい女は嫌いなんだ」
「名前も知らない相手にそんな事を言われたって嬉しくありません」
「シュウだ」
「シュウ?」
諸星大じゃない…なんで?偽名?
「君の名前も聞いていなかったが?」
「」
零くんと決めていた偽名があったのに、思わず本名を名乗ってしまった、致命的なミスだ
でも、この人には偽名なんて通用しないと思った
「か…いい名だな」
ゆらりと立ち上がってカウンターの椅子に座っている私を周りから見えないようにその大きな身体で隠した
グリーンアイの彫りが深い綺麗な顔が色気を放って近づいてくる
後ろに身を引くとそこにはもう壁があった
顎を捕まれ上を向かされる
「ン…」
少し強引に舌が入ってきて歯列をなぞる
「んふぅ…ん…ふぁ…」
抵抗しようと胸板を強く押したけど、手首をひとつにまとめられて、さらに深く口内を犯される
舌がピリピリしてきて、頭がボーッとしてしてしまう
唇が離され新鮮な酸素を欲しがっている私は呼吸を乱した
後頭部にするりと諸星大の手が滑り込んできて、逞しい胸板に私を押し付けるように抱かれた
マスターを呼んで耳打ちすると足早にバーから連れ出される
路地裏に連れ込まれ、手首を壁に押し付けられてた
膝を割って諸星大の太ももが私の自由を奪った
「やっ、離して…」
「そんな反応は男を喜ばせるだけだと覚えておくといい」
「んん…、ふっ…ハァ…」
トロンと蕩けてしまいそうなキスで思考回路が低下する
濃厚なキスを長時間していたと思う
酸欠気味になって頭がボーッとして力が入らない
諸星大にいつの間にか身体を支えてもらっていた