第32章 Shopping
こんなこと他の女には言ったことはなくて、言ってるそばから恥ずかしくなってくる
チラリと横目でを見ると顔を両手デ隠して肩を震わせていた
「え?なんだ?俺と出かけるの、そんなに嫌だったか?」
突然のの涙に慌てふためいてしまう
「私…、陣平さんの気持ち知ってるのに応えれてない…なのに、そんなに優しくしないでよ…」
ポンと頭に手をやりそんなことで泣くなと撫でた
「俺がしたくてしてるんだからいいだろ?」
「でも…」
「でも、言うな!キスして口塞ぐぞ」
いつでもキス出来そうな距離ギリギリに詰め寄ると、わかった…
と言って目を逸らせる
それでもまだの事をじーっと見つめていると近いっ!と押し戻された
「キスしたかったけどしゃーねぇか…」
「冗談ばっかり言ってないで早く行こう」
俺はが恥ずかしがる姿が好きだった
可愛いからついからかいたくなる
ショッピングモールでの服を見繕う
「自分で買うんだからね」
「これは誕生日プレゼントだから、遠慮するな」
「でも…」
「でも、言うなって言っただろ」
うっ…と言葉に詰まっているの手から服を取り上げ会計をする
タグを切ってもらって更衣室を借りた
「言ってあるから着替えてこい」
パァーっと明るい表情を見せてとびっきりの笑顔でうん!と頷いたにドキッとする
やっぱり20歳の女の子だからスーツばかりじゃなくてオシャレもしたいだろうに…
同い年の子達はまだ学生の子もいる
20歳にしては大人びててしっかりしていると日頃から感じていた
ボーッとそんなことを考えていると更衣室のカーテンからが顔を出した
「出来たか?」
「うん、笑わない?」
「ぜってーかわいいから早く見せろよ」
シャッとカーテンを開けると思った通り、いや、予想以上に仕上がった
女性店員もよくお似合いですね、彼氏さんの言う通りでしたねと褒めていた
"彼氏"と言う呼び方に口元がニヤける
は、いや、あの…と戸惑っていた
「否定するなよ、傷つくだろ
今日くらい彼氏候補として一緒に歩きたい」
「陣平さん、カッコイイんだから隣歩くの緊張しちゃうよ…目線も怖いし」