第31章 Hold
「ちゃん、なにか欲しいものない?せっかく記念の20歳の誕生日、スルーしちゃったから…欲しいものあったら、言ってよ
プレゼントしたい」
「いいって!そんな気を使わなくても…」
「じゃぁ、何渡しても返品は受け付けないからね」
「ほんと、なんもいらないから、物欲あんまりないし」
「俺がプレゼントしたいだけ、それに楽しいじゃん
相手の顔を思い浮かべながら、何がいいかなって考えながらプレゼント選ぶの」
ニコニコしながらそう話す萩原さんはそれはもう楽しそうだった
あれがいいかな?それとも…こっちかな?ともう既にプレゼント選びは始まっていた
楽しみを奪ってしまうのも申し訳なく思ってお願いしますと一言、言っておいた
「萩原は女にモテるから、女受けするのよく知ってるし、あいつに任しておけばきっといいのをプレゼントしてくれるよ」
「異性にプレゼントするのって何がいいかほんとわかんないから、困っちゃうんだけど、あんな風に楽しく選べれたらいいよね」
陣平さんは優しい顔で私の事を見つめた
その熱の篭った視線に耐えきれずに冷蔵庫に走って追加のお酒を持ってきた
プルタブがなかなか開けられなくて苦労していると、陣平さんの手が伸びてきて黙って缶を開けてくれる
「ありがとう」
「ん、
萩原のやつ、ん所で寝ちまって…
おい、起きろ!寝るなら俺の部屋に行け」
肩を掴んで起こすけど、研二さんは全然起きない
「いいよ、研二さん疲れてるんでしょ…
何が上に掛けるもの取ってくるね」