第2章 Puppy love
「あんま寝てないのか?」
「んー、考え事してたら寝れなくなっちゃった」
「どんな?」
「お母さん、彼氏いるんだって
その人と結婚したいみたい、子どもとしてはちょっと複雑だなーとか」
「そっかー、それは確かに複雑だな」
「遅くなるっていうのも多分彼氏のところに行ってるんだと思う
今日帰ってこないかもしれない」
時々ほんとに寂しそうな顔をする
見ず知らずの男が急に父親になるかもしれないってにとっては不安しかないだろう
「でも、いいの!
高校生になったら一人暮らしするから」
「危なくないか?」
「新婚さんだよ?邪魔出来ないよ
お母さんはお母さんの人生があるし、小さい頃から家にいないの当たり前だったし、家事も一通りできるから、私もそっちの方が気を使わなくてすむから楽だもん」
「いつの間にそんなにしっかりするようになったんだ?兄ちゃんはちょっと寂しい…」
「いつまでも子ども扱いしないでよ」
「まだまだ子どもだろ?」
「早くヒロくん達に追いつきたいな」
なんで?と聞こうとした所でチャイムが鳴る
きっとゼロだな…
玄関を開けるとやっぱりゼロだった
「誰か来てる?僕邪魔だった?」
「だから、平気だろ?」
ゼロを連れ帰ったら零くんだーとはしゃいでいるを見てゼロはため息をついた
「ヒロ、未成年に手出しちゃダメだろ…」
「は?出てない出てない
家の鍵なくて入れないって言うから…」
「そんなに慌てると余計に怪しい」
「違うってば!」
俺らのやり取りを見て、ポカンとしているはやっぱりまだ中学生だなーと思った
警戒心無さすぎて一人暮らしなんて心配になる
ゼロが俺達に手料理を振舞ってくれた
結局の母親は帰ってこなかったので俺ん家に泊まることになった
そんな心配しなくてもいいのに、の身が危険だとゼロも泊まっていった