第3章 厳しい稽古
新しく姉妹となった人達に会ったあと、喜瀬川付きの禿達3人の部屋で寝かせてもらった。疲れていたようで慣れない場所だと言うのに4人の中で1番早く眠りについた。
翌日、太陽が昇ったばかりで薄暗い時間帯。女将さんに叩き起された。突然風呂に連れてゆかれ衣を脱がされ、ごしごしと体を洗われたあと、髪結いに髪を整えて貰った。そのあと綺麗な着物を着せてもらって……。早い時間から動き回されしゆきがぐったりしていると、早くに起きた夕霧が話しかけてきた。
「まぁ、本当にしゆきかえ?随分綺麗になったでありんすな。喜瀬川姐さんはもう起きていんすから、見せてきなんし。」
「本当ですか?この衣はあまりにキレイでびっくりしましたけど…今から姐さんに見せてきますね!」
「しゆき、姐さんの前でそんな話し方では怒られるでありんすよ。」
「あっ、ご、ごめんなんし!」
昨日とは違って吹っ切れたのか、明るい表情のしゆきを見て夕霧は微笑んだ。
「そこの角まで行って曲がれば燕子花が描かれた襖がありんす。そこが姐さんの部屋でやんすよ。」
「わかりんした!」