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稲光楼ノ花

第2章 新しい姉妹達


「気をつけなんし。」

仲睦まじい会話に、しゆきは笑顔になった。
さっきまでは家に帰りたいとばかり思っていたが、今ではここも悪くないなと感じている。それに、もみじは自分より2つもしたの7つで、もっと辛く感じるはずなのだ。自分だけくよくよしていられない。

ここで、上手くやっていこう。まだ仕組みは分からないし、不安もあるけど、優しい喜瀬川姐さんとこの人達がいればきっと大丈夫だ。しゆきはそう強く思った。

「姐さんたち、みすずちゃんにもみじちゃん。これからどうぞよろしゅうお願いします。何もわからないのでいろいろおしえてください。」

「もちろんでありんす!なんでも頼ってくんなんし。」

そう声を揃えて、6人は返してくれた。それも、とびきりの優しい笑顔で。






こうして、家族の元を離れたしゆきには、自分が信頼出来る新しい姉妹が出来た。
これから何が起こるかなんて誰にも分からない。けれど、自分は1人じゃないのだ。
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