第1章 第5棟
翌朝
ピンポーン
朝、お弁当を詰め終わった時間にチャイムがなり、誰だろう?と、扉を開けると
「あ、、お、えっと、.... 」
昨日の彼がドアの前にちょっと落ち着かない雰囲気で立っていた。
「おはよう。。は、春彦くん!」
名前で呼ぶなんてちょっと距離感考えろとか思われるかなと、心配になったけど彼は口を尖らせて
「あ、お、おはよう. 」
と、挨拶を返してくれた。なんだか嬉しい。
「あ、迎えにきてくれたんだよね?ごめんね。、まだ時間大丈夫?」
「あ、うん、はやく出てきたからまだ大丈夫。そ、外でまってるからゆっくり準備してきて」
昨日の様子じゃ、全然会話なんてしてくれないのかと思ったけど、心配し過ぎだったみたいですごく安心。春彦くんいい人そうだなあ。
「うん!ありがとう!すぐに準備するね」
初めての場所での朝、新しい学校で緊張していたけどなんだか大丈夫な気がしてきた。
急いでお弁当を包んで、エプロンを畳んで、鞄を持ってお母さんに行ってきますと告げて外に出た。
ガチャ
「あ」
「ごめんね!待ったせちゃって!」
「ううん、だ、大丈夫。い、いこ!」
彼は私の前を少しだけ早足で歩いてて、私もそれに遅れないようについていく。