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緑間のバスケ【黒子のバスケ】

第19章 可愛い恋煩い






その後オレが根掘り葉掘り聞かれたのは言うまでもなく、掻い摘んで話した。


花子に抱きつかれて、我慢出来なくなって、キスをしてしまったこと。


その後互いに恥ずかしくなり、目を合わせることなくそのまま部屋を後にしたということ。


それからなんだかギクシャクしてしまっているということ。


話してる途中から、自分の気持ちをなんで高尾たちに晒さなければならないのかと腑に落ちない部分も多々あったが、今はオレ自身も花子とどう接したら良いのか分からず、藁にもすがる思いであった。



「は?オマエ馬鹿なの?」


「宮地、ストレート過ぎだ」


「いや、もう答え1つだろ」



宮地さんはなんで分かんねぇんだよ、と言わんばかりに頭を抱え、大きくため息を吐く。



「ったく、焦れってぇな。山田はオマエから告られんの待ってんじゃねぇの?」


「オレも宮地さんに同意っす。大坪さんは?」


「同意だな。」



よし、そうとなれば作戦だ!と何故か張り切り出したのは宮地さんだった。


想いを伝えなければいけないと分かってはいたものの、玉砕したらと考えるとその代償があまりにも大きすぎてその一歩が踏み出せない。


それでもこのままうやむやにする訳にもいかず、きっとオレは近い将来花子に想いを伝えることになりそうだ。そして赤司のことも。



オレの前を歩く高尾と宮地さんは、人の事なのになんだか楽しそうに話している。数歩遅れて歩くオレと大坪さんに気付いた高尾が振り返って声をかける。




「真ちゃん、海で告白しろよ!来週から合宿だから、そこでさ!」


「おっいいねー高尾。」


「・・・・・海か。」




ボソッと呟くと大坪さんはそれを聞き逃さなかったのかポンと肩を何回か叩いた。



「まあさ、案としてアイツらの話は聞いとけよ。実はオレにも幼なじみがいるんだ。オマエらほど仲良くはないが、状況は似ている。きっとオマエの気持ちの半分くらいは分かるぜ?」


「・・・・・。」


「オレからしてみれば、可愛い恋煩いだ。相談事は無いに越したことはないが、もしなんかあったら話くらい聞いてやるよ」


そう笑う大坪さんはどこか悲しそうにも見えたが、それ以上はお互い何も言わず帰路についた。



(「「恋してーなー!」」)
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